2009年1月19日月曜日

崎と浦

 先日の吟行会での万葉歌碑の歌、「思乍 雖来々不勝而 水尾崎 真長乃浦乎 又顧津」思ひつつ来れど来かねて水尾が崎真長の浦をまたかへり見つこの水尾が崎や、真長乃浦が現在の何処であるか、ということは興味の深い問題だった。それと同時に崎と浦の地形的な使い分けについて考えた。水尾が崎は今の白鬚神社のあるところだという。白鬚神社のあるところは現在でも明神崎と地図にあり、「崎」である。
 この崎を広辞苑で調べると(ネット検索ではあまりヒットしない。)、【崎】陸地が海に突き出た尖端。岬。山が突き出た尖端。・・・とある。では真長乃浦はどうか、これは今の場所でいうとどの辺りなのか、というと、今回お昼ごはんを食べた近江白浜やそのつながりにある萩の浜の辺りらしい。浦というと、私の印象としては「湾」のように陸地がへこんでいる場所かなと思ったが、ここの白浜や萩の浜の辺りを見ればもう少し広い範囲、「浜辺」というくらいの意味もありそうだ。広辞苑を調べると、【浦】海や湖の湾曲して陸地に入り込んだ所。一般に海辺。また、みずぎわ。・・・とある。
 一昨年の吟行で行った中主町の紫式部の歌碑、「おいつ島しまもる神やいさむらん浪もさわがぬわらわべの浦」この歌碑のあった「あやめ浜」の地形もここの白浜や萩の浜のような地形だった。やや内側へ向かって湾曲はしているが、広い浜辺という印象の場所だったのだ。崎と浦、さらに多くの歌で検証を続けたい。

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